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女性総合法律事務所ラレーヌビクトリア

住所を秘匿して手続行うことが可能です。

DV被害に遭われている女性が離婚に踏み切れない事情として、居場所が発覚することへの恐れがあります。時には、県外から避難してこられた女性も多くご相談に来られます。

その場合、せっかくどこにいるかわからなくしたのに、手続(離婚調停、離婚訴訟等)を執ることで居場所が分かってしまうのではないかという恐れから、慰謝料請求や財産分与請求を諦めようとされる方もおられます。しかし、いつまでも親権が確定しないことで今後お子様の成長とともにさまざまな場面で支障が生じることを考えると、やはり離婚調停や離婚訴訟という手続を執ることが不可欠になります。

まず、配偶者保護命令を得ていれば確実に住所を秘匿して手続を執ることができますし住民票のロックもスムーズに行われるため住所秘匿での法的手続をスムーズに開始することができます。

しかし、配偶者保護命令を得ていない場合でも、裁判所に住所を秘匿して手続を執らなければならない事情を説明した文書を提出することにより、裁判官の判断によりますが、住所秘匿での法的手続を開始することが可能になる場合があります。また、裁判官が住所秘匿での手続を許可してくれている場合、様々な行政機関がその現状を考慮してくれる場合があります。

例えば、DV被害に遭っていた母親が、避難先の地域で自立するために職業訓練受講を希望する場合に、ハローワークに、裁判所に提出
した文書(住所を秘匿して手続を執らなければならない事情を説明した文書)の写しを提出することで、住民票上の住所地以外の地域で職業訓練受講を開始できる場合もあります。

子どもも住民票の住所地の校区外に通学させる必要がありますので、その場合も、夫のDVが原因で校区外に通学させる必要がある旨を記載した区域外就学承諾書を、裁判所に提出した書類(住所を秘匿して手続を執らなければならない事情を説明した文書)を添付して、避難先の自治体の教育委員会宛に提出することで、可能になる場合があります。
 
当事務所では、相手方から居場所を知られることなく、様々な対策を執る方法について詳しくご説明いたしますのでお気軽にご相談下さい。