弁護士ブログ
女性総合法律事務所ラレーヌビクトリア
~女性は社会構造的弱者・ジェンダーバイアスについて~
午後1時から、福岡県弁護士会館において、九州弁護士連合会両性の平等・男女共同参画に関する連絡協議会が開催され、私は、福岡県の委員として参加しました。
弁護士会においても、役職者に占める女性会員は極めて少なく、女性会員には就職差別、セクシャルハラスメント被害、収入格差が現存しているなど、男女共同参画への取組はまだまだ不十分と言わざるを得ない現状にあります。
日弁連における男女共同参画の推進は、司法におけるジェンダーバイアスを排除し、国民の半数を占める女性への法的サービスへのアクセスを容易にし、具体的事件の処理を通じて、社会における男女共同参画の推進に寄与することとなり、日弁連や司法に対する信頼を高めるものでから、日弁連における男女共同参画の推進は日弁連の責務として緊急に取り組むべき課題であるとされています。
女性は国民の半数を占めているにもかかわらず、国会議員、政財界、法曹界・・・どの世界においても女性は極めて少ないです。役職者中の女性の数はもっと少ないです。私はよく、女性は「社会構造的弱者」と言っています。つまり、女性が結婚・出産することで労働力が落ちるという男性本位の考え方により、女性に対する就職差別、採用差別、正社員登用にあたっての差別、総合職採用にあたっての差別が蔓延し、その結果女性の貧困を生んでいます。
また、配偶者控除制度そのものが、主たる家計は夫の収入でささえ、妻はパート収入で家計を補助するという固定観念のような考え方を前提としています。配偶者控除を受けようとするため、妻はずっと年収103万円以内でしか稼働できません。
いざ、離婚となった場合、養育費は実際の法的な手続の中では、「算定表」という表によって決まると言ってよいのが実態です。ネットでも検索できるこの算定表ですが、現実に子どもを育てていくにはあまりに低い金額水準になっています(現在日弁連は、裁判所に対し、算定表を使うのではなく実際にいくらかかるのかで判断するように意見書を出しています)。
そこで、離婚後、貧困に陥る女性が非常に多いのです。私は、社会構造的貧困だと思います。
離婚のご相談で、よくお聞きする内容として夫が家事育児を手伝ってくれない、理解してくれないという内容があります。男性が聞いても、「何言ってるんだ。女が家事育児をするのは当たり前だろ!!」と切れることが非常に多いです。パートであろうが、正社員労働であろうが「労働」である点において何も変わりません。労働と家事育児の両立は体への負担も精神的な負担も非常に大きいのです。
パートから疲れ果てて帰宅し、必死の思いで台所に立った時に、同じく仕事から帰った夫が着替えてビールの缶を開ける「プシュー」っという音を聞いた瞬間に涙があふれて離婚を決意したというお話を伺ったことがあります。
妻を大切なパートナーと思ってくれていたら、交代でもいいので、夫が夕ご飯を作ってくれてもいいのではないしょうか。
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