弁護士ブログ
女性総合法律事務所ラレーヌビクトリア
KSL
6月7日(木)18時から、北九州市立大学の植木淳教授が主催されている法学部ゼミにおいて、学生の皆様とディスカッションを行いました。
テーマは、秘密保全法という法律についてです。
この法律はまだ法案が国会に提案されてはいませんが、いつていしゅうされてもおかしくない状況にあります。
最近の中国一等書記官スパイ疑惑の報道で話題になっている法案です。
行政機関が外交防衛に関する事項のみならず、公共の安全及び秩序の維持上秘密にする必要があると判断した事項は、「特別秘密」と指定され、ベールに包まれてしまいます。
既存の法律(国家公務員法や自衛隊法)とは異なり、広く民間人にも秘匿義務が課せられ、漏洩教唆、漏洩煽動行為も広く処罰されます。
そして、最高刑は懲役10年ととても重たいものになっています。取扱い業者の選定などに先立ち、職員の適正評価制度も盛り込まれており、職員の配偶者も調査対象にされています。
記者が国家の重要な情報にアプローチするに当たり、精神的に躊躇してしまうため、ひいては国民に重要な情報が上がってこなくなる危険性があります。福島原発からの放射漏れの情報の詳細も、秩序を維持できないという理由で特別秘密に指定されることになるでしょう。TPPに関する日本国に不利益な結果を導く都合の悪い情報も隠ぺいされ、特別秘密ということを楯にして、重要な情報にアプローチできなくなる危険性もあります。
学生さんたちも活発に議論していました。
今後も学生さんたちと社会の動きについて活発な議論を行っていきたいと思います。
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