弁護士ブログ

女性総合法律事務所ラレーヌビクトリア

ジェンダーバイアスの是正ー離婚後の平等を求めて

日々の生活のいたるところにジェンダーバイアスが潜んでいます。

例えば、
■公職にある方の女性問題が日々報道されていますが男性問題という報道は聞かないな・・・
■女子アナという言葉は聞くが男子アナという言葉は聞かないな・・・
■区役所、市役所、銀行、病院の窓口は女性ばかりで奥に男性の職員の方がいる風景がどこも変わらないな・・・
■飛行機に乗っても、男性のCAさんがいないな・・・機長アナウンスの音声はいつも男性だな・・
などなど、です。

しかし、ここ最近、変化していることもあります。
例えば、数年前と比較すると「不倫」に対する社会の目は確実に変化しています。公職を追われる水準にようやく達しました。
離婚訴訟における「不貞」も評価が変わる時期ではないかと思います。
不貞は深刻な精神的DVであり、こどもに対する深刻な心理的虐待でもあり、特に父親の不貞に起因する離婚により子どもの人生に与える影響は大きく、離婚にともない母子に掛かる心理的物理的経済的負担を考えれば、人生被害といえます。

現在の離婚をとりまく環境では、
■こどもの成長に応じた養育費ではなくこどもが成長しても一定額の養育費
■財産分与割合は原則5対5であるため、こどもの将来の為に貯めた財産を、こどもを育てる母親が十分に受け取れず父親が半分も持っていくことになる
■離婚慰謝料の水準がここ数十年変化しておらず、名誉棄損の慰謝料水準の増額傾向に鑑みると、困難女性支援法施行、改正DV法施行後も従来の水準から変化しておらず、特に、精神的DVの相談件数が増加している実情に照らせば女性にとって不利な実情となっていること
など、女性にとって著しく不平等な離婚環境であるといえます。
■こどもの成長に応じて増額する養育費判決
■こどもの高校以降の高等教育機関のあらゆる学資についても離婚時の父母の年収割合により負担する内容まで定めた養育費判決
■履行の確実性を実現する為定額自動送金方式での支払いを定めた養育費判決
■当月分を前月末日までに振り込む方式の養育費判決
■5割を越える財産分与(子どもを育てる側が多く分与を受ける)
など、ジェンダーバイアスを解消し、離婚後の平等が保障される環境を作ることが早急に必要であると思います。